役小角(えんのおづぬ) ── のちに役行者と称されたこの呪術者は、舒明六年(六三四)、大和国葛城上郡茅原に生まれたと伝える。三十二歳の頃、葛城山にて修行を積んだのち、未踏の峯々を求めて南へ向かい、辿り着いたのが 金峯山(きんぷせん) ── すなわち今日の大峯山系であった。
千日の苦行ののち、行者の前に現れたのは、釈迦・千手観音・弥勒 ── いずれの仏でもなかった。岩を割って忿怒の姿で立ち上がった、それまで誰も見たことのない神 ── 蔵王権現(ざおうごんげん)であった。
右手に三鈷、左手は腰に当て、片足は岩を踏みしめ、片足は虚空を蹴り上げる。仏でもなく神でもないこの「権(かり)に現れた」尊格こそ、修験道という日本独自の信仰体系の中心となった。神仏が一つに溶け合い、山そのものが如来の身体となる ── 神仏習合の極致が、ここに始まった。
以来千三百年、山上ヶ岳には女人結界が守られ、行者たちは 「懺悔 懺悔 六根清浄」を唱えながら、鎖場と岩肌を登り続けている。山は、変わらない。
十 界 修 行 ・ 六 根 清 浄
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"gear-tags"> 登山靴必須 雨具 ヘッドライト 白装束推奨 水 2L以上 行動食※ 修験道は信仰の山。装束・作法・女人結界等の伝統を尊重しての登拝をお願いします。気象条件により登攀困難となる場合あり。
日本最古の神社のひとつ。三輪山そのものを神体とする ──
山をご神体として拝む信仰のかたちにおいて、
大峯山と最も深く結ばれる聖地。
役行者も若き日、葛城・三輪の山々を往き来し、
ここで「山を拝す」という日本古来の信心を学んだ。